会長あいさつ
このたび、包括システムによる日本ロールシャッハ学会(JRSC)第29回福井大会総会での承認を経て、会長に就任することになりました、徳島文理大学の渡邉 悟と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
野田昌道前会長は3期9年にわたり、本学会の運営に尽力されました。その9年間に、包括システムの伝統を次代に引き継ぐ認定資格制度(CPCS)を創設され、レベル1、レベル2、そして、レベル3の認定者が順調に誕生しております。また、2023年11月には、認定資格委員会編集の学会企画本『ロールシャッハ実践ガイド 心理アセスメントの力を伸ばす』(金剛出版)が刊行されました。この書籍は、当初、CPCSの試験対策本として企画されたものですが、ご一読いただければ分かりますように、それにとどまらず、包括システムをより心理臨床実践に活かすことができる内容になっております。こうした事業を中心になって進めてこられた野田前会長には、この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。
なお、野田前会長の学会史に残る貢献に対し、福井大会総会において、理事会から顧問に推挙することを提案しましたところ、異論なく承認を得られましたので、ご報告いたします。
さて、JRSCは1993年に日本で初めてのロールシャッハ・テスト(包括システム)の専門学会として発足し、国際ロールシャッハ及び投映法学会(ISR)に団体登録いたしました。発足時は、30人に満たない会員数でしたが、今や550人を超える学会に発展しております。JRSCは、引き続き包括システムをクライエントの福利に活かすことを学会活動の第一目標にしてまいりますが、新体制の発足に当たり、世代交代も視野に入れまして、新たに総合企画委員会を立ち上げることといたしました。この委員会には、自由な発想で、包括システムの更なる発展と普及のための企画を立案していただくことを期待しております。
ということで、今後は、従来の研修委員会、国際交流委員会、編集委員会、倫理委員会、広報委員会、研究助成審査委員会、認定資格委員会に、総合企画委員会を加えた、8つの委員会で学会活動を進めてまいります。改めて申すまでもなく、学会を円滑に運営していくためには、会員の皆さまのお力添えが不可欠です。これまでと変わらぬご支援、ご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。